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信販会社の立替払前のクーリングオフと信販会社の対応

信販会社の立替払前のクーリングオフと信販会社の対応について

信販会社は販売店に事実を確認して、販売店側から連絡があるまでは、立替払いを停止しなければなりません。

立替払契約について

立替払契約とは、顧客が販売店から購入した商品代金について、信販会社が顧客からの委託を受けて、販売店との加盟店契約にもとづいて、販売店に立替払いするものです。

これによると、信販会社は顧客の意思に反しては、販売店に立替払いをできないということになります。

信販会社が立替払いをする直前に支払を停止してほしい場合とは?

次のような場合が考えられます。

■信販会社が立替払いをする直前に顧客がクーリングオフをした場合
■信販会社が立替払いをする直前に支払方法を現金にした場合
■顧客が販売店から購入した商品が販売店から納品されなかった場合
■販売店から納入された商品が見本と異なっていた場合
■販売店から引き渡された商品に瑕疵があったりする場合

立替払契約成立後、顧客は立替払いの委託を取り消すことができるのか?

本来、信販会社としては、顧客から立替払いを委任されていますので、販売店に立替払いをする義務があります。

なので、もし、これを履行しなかった場合は、債務不履行として販売店から損害賠償請求されてしまいます。

他方、購入者は、立替払契約の締結によって、商品代金の店頭での支払いが猶予されています。

よって、立替払契約が成立したら、原則として立替払いの委託の取消しはできません。

取消しが認められるのは、販売店に対して法律上支払いを拒むことができる場合に限られると考えられます。

顧客がクーリングオフをした場合の信販会社の対応

その場合は、販売店に通知して、販売店への支払いを中止します。また、商品の未納や瑕疵があった場合などは、販売店に事実の確認をします。

そして、顧客が主張する抗弁事実が解消されるまでは、販売店への支払いを停止することになります。

ただし、顧客が現金払いに変更したいなど、販売店に対して法律上支払いを拒める場合にあたらないときには、法的には立替払いの委託の撤回はできません。

とはいえ、この場合でも、販売店の承諾があって、かつ信販会社も構わないということであれば、当然撤回できます。

顧客からの申し入れを無視して、信販会社が販売店に立替払を実行し、顧客に請求をした場合について

その場合は、顧客は、割賦販売法にもとづく「支払停止の抗弁権」を主張できることになります。

判例上も、次のように信販会社の顧客に対する請求を棄却しています。

■東京高判平15.7.16・・・「信販会社は販売店の債務不履行に至る事情を知り得べきでありながら、販売店に立替払いしたことから、販売店の債務不履行を信販会社に帰せしめるのを信義則上相当とする特段の事情が存在する」

関連トピック
契約書のない立替払契約について

信販会社が顧客に「契約締結の意思確認」をしていて、顧客もこれを確認していれば、契約は有効です。

契約について

契約というのは、一定の法律効果の発生を目的とする2人以上の当事者の相対立する意思表示の合致によって成立する法律行為のことをいいます。

そして、契約には次の「諾成契約」と「要式契約」があります。

諾成契約
・・・当事者の意思表示の合致のみで効力が発生するものをいいます。

要式契約
・・・書面の作成など一定の方式が必要なものをいいます。

ちなみに、金銭消費貸借契約は、当事者の合意だけではなくて、金銭を借主に交付する必要があるので「要物契約」になります。

立替払契約の成立時期について

立替払契約というのは、まず顧客が販売店から購入した商品代金等について、信販会社に申込みを行います。その後、信販会社が顧客の信用状況を調査した上で、販売会社を通じて顧客に承諾するという契約です。

よって、「諾成契約」ということになります。また、これにより、立替払契約の場合は、仮に販売店が契約書を作成していなくても有効に成立することになります。

ただし、契約に際して書面を作成するのが一般的な場合において、作成していないというときには、契約の成立について疑問視されやすいといえます。

割賦販売法について

割賦販売※の場合は、特定商取引法と割賦販売法の両方が適用されますので、販売店は顧客に書面を交付する義務があります。

よって、割賦販売の場合に、販売店が顧客に書面を交付していない場合は、割賦販売法にもとづいて、販売店は10万円以下の罰金に処せられることになります。

※割賦販売・・・顧客が販売店から訪問販売で商品を購入し、信販会社との間で2月以上の期間にわたり、かつ、分割回数が3回以上の取引のことです。

クーリングオフ

訪問販売や電話勧誘販売の場合は、顧客が販売店から書面を受け取った日を含めて8日以内は無条件でクーリングオフができます。

ですから、もし販売店が顧客に書面を交付していなければ、クーリングオフは進行しないことになりますので、顧客側はいつまでもクーリングオフをすることができることになります。

他方、書面を交付していても、書面に「申込日」や「商品引渡日」などの記載がなければ、書面を受け取っていないとして、いつまでもクーリングオフを顧客から主張されることになります。


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